事前の準備で安心生活

緊急時にあなたを支える福祉用具

 近年多発している災害から命を守るためには、私達一人一人の災害に対する心構えや知識と備えが重要で、特に他者の助けを必要とする障害のある方やご家族は、念入りな準備が必要です。
 ここでは、それぞれのケースに合った緊急用の福祉用具や避難時に起こりやすいトラブルと解決へのヒントをご紹介します。

まず避難計画を立てましょう(避難所の確認/避難・在宅避難の確認)

 発生した災害の種類や被害の大きさなどにより、とっさに取るべき行動やその後の避難が異なる場合があります。日頃の備えや避難の計画について、確認しておきましょう。

【名古屋市の場合】

災害への備えや避難について、下記の名古屋市公式 HPにわかりやすく解説しています。

防災ガイドブック、わが家のマイ・タイムライン、区情報

避難が必要な場合の避難施設には2種類あります。

指定緊急避難場所

命を守るため、災害の危険からまずは逃げるための場所

指定避難所

自宅が被災して帰宅できない場合、一定期間、避難生活を送るための場所

【避難所開設情報】

災害時に最寄りの避難場所を検索できます(名古屋市防災危機管理局)。

災害時!最寄りの避難所開設情報

福祉避難所について

避難生活において配慮を必要とする方のために開設される避難所です。

指定福祉避難所

あらかじめ調整した受け入れ対象者が直接避難できる避難所

協定福祉避難所

指定避難所では避難生活が難しい場合に移動する避難所

避難場所について
避難場所について

【避難が必要】どんな福祉用具があるの?

災害の状況によっては、急いでその場を離れる必要があるかもしれません。避難の際や避難所で役に立つ福祉用具の一例をご紹介します。

オプティマルエバックシート

オプティマルエバックシート

 常にマットレスとベッドの間に敷いておき、緊急時に布団ごと要配慮者を固定して搬送します。

リュック一体型ライフジャケット【TSUNAGUARD】

リュック一体型ライフジャケット【TSUNAGUARD】

 水を感知すると約5秒で自動的にリュックのショルダー部分が膨らみライフジャケットに変化します。

レスキュースライダー

レスキュースライダー

 緊急時に避難困難者を乗せて、平地や階段を迅速に安全に搬送できます。

JINRIKI®

JINRIKI®

 着脱式の車椅子緊急避難装置。前輪を浮かせて引くことで坂道や段差、悪路の移動をスムーズにします。

エアバック式担架 エクストレッチャー

エアバック式担架 エクストレッチャー

 収納時は小さく、レバーを引くと瞬時に膨張し担架になります。重さは2.5kgと持ち運びにも便利です。

コミュニケーション絵本

コミュニケーション絵本

 会話が困難な方のための意思伝達ツールで、イラストと文字を指さすだけで意思疎通ができます。

【在宅での避難】トイレやお風呂で困ったら?

 災害時に備えて、食品や飲料水の備蓄や、防災用品、貴重品、医療用品などの非常持出袋を用意しておくことが重要です。それらに加えて、こんなものがあると役に立つかもしれません。

災害時にトイレが使えなくなったら、排せつのあとに風呂の残り湯を流せば良いのですか?

ワンズケア トイレ処理袋 介護・防災兼用

ワンズケア トイレ処理袋 介護・防災兼用

 ライフラインの復旧までに時間を要す場合、風呂の残り湯も大切な水となります。1日のトイレ回数と家族の人数を掛けると、膨大な量が必要になります。また高層マンションでは、低層階のトイレから上層階の住民が流した汚水が溢れる可能性もあります。特に地震では見えないところで配管がズレて汚物が逆流してしまうこともあるので注意が必要です。水を使わない「トイレ非常用袋」を使用して対応しましょう。

災害時はおむつのゴミが溜まっていくことが予想されますが…ニオイが心配です。

おむつが臭わない袋 BOS

おむつが臭わない袋 BOS

 特殊な素材で出来ている袋のため、ニオイだけでなく菌を通さないものもあります。ゴミの回収が困難となる災害時はこのような袋を使用することで、袋を二重に重ねたり消臭剤を使わなくてもよく、おむつだけでなく生ゴミなどのニオイの問題を解決してくれます。災害時だけでなく、外出時に交換したおむつを持って帰る際にも役立ちます。サイズもいろいろあります。(排せつ物は各自治体のルールに従って処分してください。)

災害時、介護している方の体を清潔に保つために良い方法はありますか?

からだも拭けるウェットタオル  ジャンボ

からだも拭けるウェットタオル ジャンボ

 長期間保存可能、個包装で衛生的、フェイスタオルサイズで厚手のウェットタオルです。充分な水分量があるため大人の体を拭くことができ、備蓄品としてもすぐれています。季節に応じて電子レンジで加熱、冷蔵庫で冷却することも可能なので、「ローリングストック」として普段使いにもお勧めです。

【避難/在宅】電源が必要な福祉用具、停電のときは大丈夫?

 介助する人もされる人も、楽で快適に使える一方で、急に停電になってしまったらどうすればよいのでしょう。身近な福祉用具のいくつかについて、停電したらどうなる?をご紹介します。

電動介護用ベッド ベッドの背ボトムを上げたままで停電で止まってしまったら?

電動介護用ベッドの一例

 停電の際には、電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。復旧時にすべての電化製品が一斉に動き出すと、故障の原因になることがあるためです。その上で、手動でベッドを水平に、高さを一番低く戻しておくと安心・安全です。手動で水平にする方法はメーカーや機種により様々ですが、小さな力で戻せるオプションがある機器もありますので、取扱業者に確認しておくとよいでしょう。

注意

療養上の目的で背や足の角度を決めている場合は、必ずしも水平に戻す必要はありません。かかりつけ医や看護師に確認しておきましょう。

エアマットレス 停電後、時間が経つとエアマットレスの空気は抜けますか?

エアマットレスの一例

 停電中は徐々に空気が抜けてしまいます。エアマットレスの空気が抜けるとベッドの硬いボトムに身体が底付きし、痛みや床ずれが発生する可能性があります。多くのエアマットは3時間程度は底付きしないようになっているため、その間に送風チューブを折り曲げてガムテープで固定するなどの対策をしましょう(メーカー、機種ごとに対応方法の説明書があります)。

注意

●停電中は一定時間ごとの体位変換を行います。
●ベッドと同様、停電中は電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。

リフト 停電時、リフトが動かなくなったら?

リフトの非常降下の様子

 バッテリー式のものは、停電時でも当面は問題なく使用可能ですが、停電が長引き充電が切れると使用することができません。吊り上げ途中で止まった場合には、非常降下装置などを利用して降下します。

注意

非常降下の方法は、メーカーや機種により様々です。導入の際に、メーカーや福祉用具の相談員に確認しておきましょう。

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