排せつケア対応力向上研修を実施

排せつケア対応力向上研修の様子
排せつケア対応力向上研修の様子
排せつケア対応力向上研修の様子
排せつケア対応力向上研修の様子
排せつケア対応力向上研修の様子

 なごや福祉用具プラザでは、いきいき支援センター(地域包括支援センター)、高齢者いきいき相談室の職員を対象に「排せつケア対応力向上研修」を実施しています。人にはなかなか相談しにくい排せつの悩みですが、多くの高齢者が悩みを抱えているという実情があります。排せつ介護は介護者にとっても負担感が高く、名古屋市では「排せつケアコールセンター」を開設しています。コールセンターで受けた相談は、地域のいきいき支援センターや高齢者いきいき相談室と連携し対応にあたります。排せつケア対応力向上研修では、直接排せつの相談を受ける、いきいき支援センター、高齢者いきいき相談室の職員の方々が、適切に相談・対応ができるよう基本的な知識や対応方法などについて習得することを目的としています。

 研修は、10:00〜17:00と1日かけての盛りだくさんの内容です。はじめに、名古屋市健康福祉局高齢福祉課、名古屋市療養サービス事業団から、排せつケアコールセンターの設立についてとその紹介がありました。コールセンターの認知度がまだまだ高くないものの、これまで寄せられた相談について、全体の相談数、年齢別とした場合、排尿・排便・その他など具体的な相談内容のについての統計データの説明をしていただきました。コールセンターの告知をするたび相談数が増える事実があり、今後、広くコールセンターの存在を知ってもらうことと、それに伴いより適切で充実したサービスが受けられるように関係各機関やなごや福祉用具プラザとの協力が求められました。

排せつケアコールセンター

 研修は、ロールプレイングから始まりました。出席者はあらかじめ、5〜6名で1組のグループに分けられており、『尿失禁がありおむつで対応している80歳の男性からの相談』という事例で、男性、その妻、いきいき支援センター相談員と役割を決め、それぞれの立場でロールプレイングを行いました。役割の本人だけに設定のシートが配られ、それに基づき発言し、当事者の心情を疑似体験しました。体験してみて、その感想を記録し、さらに役割のシートを開示して不足していた情報を確認、対応が適切でなかった部分を話し合いました。排せつという説明しづらい内容に、男性の悩みを近親者である妻も誤解していることや、自尊心や人となりを尊重しつつも相談しにくい雰囲気を作ってしまわないようにする難しさを感じました。薬や症状についての聞き込みは、病気に対する予備知識も必要であり、失禁の原因について考えることの必要性も感じました。

排せつケア対応力向上研修 ロールプレイング
排せつケア対応力向上研修 ロールプレイング
排せつケア対応力向上研修 ロールプレイング

 午後からは、紙おむつの正しい付け方・選び方ということで、毎日の排尿の状態を知るため、時間と量などを記録する「排尿日誌」の活用についてお伝えしました。それを踏まえて、おむつの種類を知り選択すること、さらに正しい使い方について解説しました。実際に紙パンツを手に取り、正しいはき方や処理の仕方などを体験しました。

排せつケア対応力向上研修 紙おむつの正しい付け方・選び方
排せつケア対応力向上研修 紙おむつの正しい付け方・選び方
排せつケア対応力向上研修 紙おむつの正しい付け方・選び方

 続いて、なごや福祉用具プラザの展示スペースにて排せつ用具を中心とした展示品の見学を行いました。排せつ場所までの距離を短くすることのできるポータブルトイレや比較的簡単にできる増設トイレの紹介、排せつ姿勢を支えたり立ち上がりを補助する道具、衣類やおむつ、介護ロボットなどを見学しました。実際の用具に腰を下ろしてみたり手に取ってみたり、参加者は機能と使い方を確認しました。

排せつケア対応力向上研修 展示品の見学
排せつケア対応力向上研修 展示品の見学
排せつケア対応力向上研修 展示品の見学

 プログラムの最後は、小牧市民病院 排尿ケアセンター部長 吉川羊子先生にお越しいただき、排せつ機能の基礎知識 〜誰にでも知ってほしい排尿症状の評価とケア〜、という題目で講義を行っていただきました。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)や尊厳はもちろん、それ以前の医学的な見地から排尿をとらえ、頻尿を例にどんなことがことが起きているか、危険な症状はどんなものか、わかりやすく解説していただきました。起きていることを正しく判断するため「排尿日記」で記録し、記録に基づくことで質の良いケアができることが示されました。

ページ先頭へ